メガバンクのリテール戦略に翻ろうされた大手消費者金

消費者金融大手を次々に傘下に収めたメガバンク

銀行系クレジットカードと大手信販は、長年支援を受けてきた関係から、メインバンク・都銀の個人業務戦略に沿った生き残り策を模索せざるを得ない状況になってきました。メガバンクグループの中核である都銀は、3月期決算で不良債権比率の半減目標をほぼ達成し、経営健全化計画が順調に推移していることを示しました。


ここ数年、メガバンクグループは業績回復後の経営戦略について検討してきました。その結果、グループ内のクレジットカードや信販を巻き込んで、個人(リテール)業務に進出することを決めました。しかし、その方法はすべてのクレジットカードや信販をグループに残すのではなく、関係の深い企業に支援を仰いだり、合併や実質的な売却を実施したり、資本・業務提携した大手消費者金融とコンビを組ませたりと、業務効率を上げる作戦を取りました。「グループ内に複数の同業者は要らない」ある都銀幹部は、こう本音を漏らしています。


7月に三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJホールディングス(HD)が統合を決めてからは、両メガバンクグループの「ノンバンク整理」が一気に加速しました。UFJHDは9月に経営支援先の大手信販・アプラスを新生銀行に売却、MTFGは1月にDCカードの株式20%をアコムに売却して、同社はアコムの持分法適用会社になりました。三菱UFJFGが誕生した10月には、日本信販がUFJカードと合併して「UFJニコス」が誕生しました。


みずばフィナンシャルグループ(FG)は、オリエントコーポレーションの支援を伊藤忠商事に委ね、伊藤忠は700億円をオリコに出資して同社の筆頭株主になりました。また、みずばFG内ではクレディセゾンとUCカードとの間で事業分割を行い、UCカードはクレジットカードの業務処理会社として再スタートを切りました。


大手消費者金融との関係強化に熱心なのが三井住友フィナンシャルグループです。6月に消費者金融第3位のプロミスの筆頭株主になって同社を傘下に収め、消費者ローンビジネスを強化しています。プロミスは1月、旧さくら銀行が消費者金融大手・三洋信販との合弁で設立した「アットローン」を子会社化しました。


3大メガバンクグループにとってクレジットカードや信販はこれまで、本業では手の出しにくい個人業務を代行する「別働隊」であり、確固とした関係を築いてきました。しかし、不良債権の大口先でもあった大手信販に対しては距離を置きはじめ、系列クレジットカードに対しても自立を促しました。


メガバンクがいまパイプを太くしようと考えているのは、大手消費者金融会社です。彼らが持つ与信能力は、都銀にはないものです。都銀はクレジットカード業務を子会社に委ねる必要がなくなったのです。また、信販はグループに1社あればよいと考えています。