第二地銀とのATM提携が知名度を上げるスタートになった

積極的なATM提携をしたが手数料が大きな負担になっていた

消費者ローン利用者の利便性向上のため、消費者金融業界は銀行などとのATM提携を積極的に進めました。これがのちに保証業務など、提携のパイプ作りに発展していきました。消費者金融の利用者は、融資を受けた業者の店舗で借り入れたり返済したりすることに、ある種の抵抗感を持っているといわれています。


業界の地位が以前に比べて向上した現在は、そうした意識が希薄になっているようですが、業容が拡大していた90年代中盤以降、消費者金融大手各社は顧客の利便性向上のため、積極的に金融機関とATM(現金自動預け払い機)提携を結ぶようになりました。


この時期は、信組や第二地銀などの破たんが起きるなど、第1次金融破たんの時代でした。消費者金融業界と銀行のATM提携で当初、最も多かったのは第二地銀です。業績が低下していたため、ATMネットワークを開放することで手数料収入を得たい銀行側の思惑が提携を実現させたのです。


最初は出金(利用者から見れば借り入れ)に限定されていましたが、その後入金(返済)もできるようになりました。消費者金融サイドも、銀行のATMならば自社の顧客は抵抗感なく返済してもらえるので、延滞率も下がると考え、その後競うように銀行とのATM提携を推進していきました。


しかし、銀行とのATM提携は一方で弊害も生じました。消費者金融側の手数料負担が大変なことです。銀行ATMの利用手数料は消費者金融会社の負担で、利用者は支払う必要がありません。提携業務ですから2社間の契約内容によって異なりますが、消費者金融関係者によれば、出金手数料は「100円+出金額の0.7%」といわれています。仮に20万円を引き出すと1500円の手数料負担が消費者金融会社にかかります。入金の場合は200円の印紙税がかかります。


「当初は自社のATM設置率が低い地域に対して、銀行のATMを借りて手薄な部分を埋めていくことが狙いだったが、年間数十億円もかかる他行利用ネットワーク経費の負担は重い。本音をいえば、今は自社のATMをなるべく使ってほしい」(業界幹部)と話しています。ただ、信金・信組から都銀まで幅広いATMネットワークを構築していった結果、金融機関との業務上の接触機会が増え、現在では収益の大きな柱の一角に成長しつつある銀行ローンの保証業務提携が生まれていったことは確かです。


別の関係者は、こう語ります。「はじめは第二地銀しかATMを開放してくれませんでした。銀行系クレジットカードや信販と比べると、確かに手数料は割高でした。しかし、この結びつきが我々の業界を知る手立てとなって、金融機関が消費者金融業界を理解するよいきっかけになりました。現在の消費者ローン保証業務の提携へと発展したことは間違いありません」