カード決済はインターネット通販を利用するユーザーにとって恩典が多い

ECにおける個人市場は6兆円を超える

カードは、利用されてこそ商品価値が上がります。しかし、電子商取引(EC)の普及で、加盟店での利用はリアルからバーチャルな世界に移行しつつあります。日本クレジットカード協会によると、加盟店数は2255万店。前年度に比べて3%増と伸び悩みの傾向が出ています。


国内ノンバンク業態では最大の会員数を誇る銀行系クレジットカード業界で頭打ちの兆しがあるということは、クレジットカード全体を見ても加盟店数の伸びが鈍化しているといっても過言ではないでしょう。もちろん、この数字は信販などの他業態とダブルカウントになっていると思われます。なぜなら、加盟店は複数のカードと加盟店契約を結んでいるからです。


加盟店数の減少傾向に対して、急増しているのが電子商取引(EC)におけるインターネットショップです。ショッピングモール最大手の楽天は、100万を超える商品を取り扱っているといわれますが、その決済の4割がクレジットカードだといわれています。経済産業省が6月に民間の研究所と共同で行った調査によれば、前年度のECの市場規模は100兆円を超えました。


サイバーショップを個人が利用する「BtoC」のマーケッ卜は約5.6兆円(前年比28%増)、ネットオークションをさす「CtoC」も約7800億円で、ECにおける個人市場は6.4兆円とますます拡大しています。ECは口座振込などもありますから単純比較はできませんが、消費者信用供与額73兆円と比べると9%に相当します。カードは、EC市場を無視して今後の戦略は立てられないでしょう。


ショッピングにしろキャッシングにしろ、インターネット決済は利用者からすれば、ポイント還元があるカードが断然有利です。銀行振り込みは手数料がかかるうえに恩典がありません。しかし一方、カード会社から見ると、銀行引き落とし手数料は会社負担ですから、取扱量が増えなければ収益的には魅力がありません。楽天などのショッピンクモールとポイント交換するカードや信販も増えています。JCBは、すでにインターネット加盟店「e加盟店」を作り、ネットショップとの関係を強化しています。


クレジットカードはこれまで、利用者のライフスタイルを先取りして、サービス拡大に努めてきました。街角の加盟店を新規開拓したとしても、今後は売り上げの急速な増加は見込めないと思われます。また、加盟店の獲得や管理は経費増につながります。インターネットショップに対する戦略の立て方次第で、各社の業容に大きな差が出る時代はそう遠くありません。業界浮揚のカギをインターネットショップが握っています。